あらの(一人)麻雀研究所

子が一人リーチしている場合

次に、子が一人先にリーチをかけている場合です。リーチをかけているのが子2であるとすると、この状態の期待値は次のようになります。

 

 

これは子1と子2が入れ替わっただけで、先ほどの一人リーチの状態とまったく同じグラフです。この状態から子1がリーチをかけると、期待値は以下のようになります。

 

 

実際には子1と子2の点の高さや待ちの良さによって差が出てきますが、ここでは両方とも同じ条件で計算しているため、子1と子2の間に差はありません。親の期待値が子3よりも低いのは、ツモられた場合に多くの点棒を出さないといけないからです。

さて、上の二つの状態は子1がリーチをする前とリーチをした後のものです。つまりこの二つのグラフの差をとれば、子1のリーチが期待値にどのような影響を与えたのかが分かるということになります。下のグラフ がこの差を計算したものです。

 

 

このグラフから、子1の追っかけリーチによって一番得をするのは子1自身であることがまず分かります。これは当たり前のことのようですが、条件によっては必ずしも成り立ちません。もし子2の手が役満で、自分が安い手だったら無理に勝負するのは損でしょう。あくまでも和了点、和了確率が等しいと仮定した場合の話です。

次に、一番損をするのは先制リーチをかけていた子2であるということが分かります。期待値にして1000点以上も下がってしまいます。期待値が下がる要因としては、子1があがることによって自分があがれない可能性が出たことと、子1に振り込んでしまう可能性が出たことです。

最後に親と子3の期待値の変化を見てみると、ともに微妙なプラスとなっています。子1がリーチをすることによってこの二人は得をするということです。これには少し説明が必要でしょう。

流局確率を考えると、子2の単独リーチの場合には80%です。これに対して、二人リーチになった場合には63%程度に下がります。つまり誰かが和了する確率は20%から37%程度に上昇するのです。にもかかわらず親と子3の期待値は上昇 しています。

この原因は何かというと、子2がツモ和了する確率が減ることと、子1と子2の間で振り合う可能性が出てくることです。子1がツモ和了する可能性も新たに加わるのですが、トータルで考えるとやや得になるということです。もちろん微妙なプラスなので、条件によってはマイナスにもなり得ます。

上記の結果から、もし自分がベタオリしているのなら、他家が追っかけリーチをかけるのはむしろ歓迎すべきことだと言えます。これは実戦での感覚とも一致するのではないでしょうか。 いわゆる「誰か勝負に行けよー」という状態です。

 

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