あらの(一人)麻雀研究所

鳴き仕掛け

鳴きの重要性

鳴きは麻雀の手作りにおいて非常に重要です。四人とも面前で手を進めることは比較的珍しく、四人のうち一人や二人は鳴き仕掛けをするのが普通だと思います。したがって麻雀において期待値を計算しようというとき、鳴きの影響をまったく無視するというのはかなり大胆な考え方であると言えます。しかし、総合期待値計算2のページなどで述べている通り、鳴きという行為は、本質的に相手の戦略に依存するため、それを仮定することなしには何も議論することは出来ません。

つまり相手の戦略を仮定しないという立場をとった場合、鳴き仕掛けについて定量的なことは何も言えないのです。もちろん、母集団をある程度限定して、その集団内でとった統計データに基いて議論することは出来ますが、それでも集団内の相手の戦略が今後も変わらないという仮定を置く必要があります。

このような事情により、このページでは定量的な結論は出していません。あくまでも定性的、あるいは感覚的に述べているだけです。

 

麻雀における鳴きのメリット・デメリット

面前で手を進める場合と比較した鳴きのメリットとしては、

  • 確実に向聴数を下げることが出来る
  • 欲しい牌を手に入れることが出来る
  • 相手を牽制することが出来る

といったようなことがあります。上のふたつについては問題ないでしょう。欲しい牌を鳴くわけですから、ほとんどの場合では向聴数が下がります。逆に言えば、向聴数が下がらないような鳴きは特別の事情が無い限りやらない方がいいでしょう。

三つ目は相手次第の話です。例えば相手が20,000点差のトップだった場合、こちらが白と發をポンすれば、無理に中を止めて手の進行を遅らせてくれるかも知れません。あるいは、ハネ満くらいが狙えるような一向聴だったとしても、こちらが役牌を鳴いたことで安く上がってくれるかも知れません。

一方、鳴き仕掛けをした場合のデメリットとしては、

  • 相手に手牌の情報を与えてしまう
  • 和了点数が低くなる
  • 手牌の枚数が少なくなる

といったことがあります。

まず一つ目に関してですが、通常相手に情報を与えるのは損な事が多いです。例えば三萬をポンした場合、相手が一萬二萬のペンチャンを持っていれば、これを優先的に処分することができます。あるいはドラをポンした場合、満貫クラス以上の手であることが相手に知れてしまいますので、ロン和了することはそれだけ難しくなるでしょう。

二つ目は当たり前の話です。一通や三色、チンイツ、ホンイツなら一飜下がりますし、平和などは付かなくなります。また裏ドラについてものる可能性がゼロになってしまいます。面前で上がれそうな手は鳴いてはいけないということです。

三つ目の手牌の枚数については、相手からの仕掛けがあったときに主に効いてきます。例えば自分が三副露した状態で相手からリーチが入った場合、終局までベタオリするのはかなり難しいと言えるでしょう。

 

まとめ

以上のように、鳴きに関しては定量的に理論化するのが難しい部分です。ケースバイケースで期待値を推算して判断するしかないと言えます。ただ、面子の構成については面前得点期待値の計算と本質は同じですから、一人麻雀練習機の結果がある程度参考になります。


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