あらの(一人)麻雀研究所

総合期待値計算

麻雀で勝つとは

麻雀の技術について論じる前に、麻雀で勝つとはどういうことなのか、をはっきりさせておく必要があります。一口に麻雀に勝つと言っても、人や状況によって様々な評価方法があります。

まず考えられるのは、

・金額的にトータルをプラスにすること

これは非常に分かりやすい定義です。主にフリーで打っている人などはこれを目的にしていることでしょう。その場合、場代やご祝儀などを含めて計算する必要があります。

東風荘などのネット麻雀がメインの人にとっては、

・平均順位を上げること。もしくは東風荘のRを上げること

が目的となってきます。この場合には素点がいくらダントツだろうと関係はなく、順位のみが重要ということになります。10万点持っていようが3万点だろうが、トップはトップ、2着は2着です。

また、プロの人などで大会に参加する場合には、

・決勝まで残り、そこでトップをとること

が最重要課題になります。優勝すればタイトルを名乗れますが、準優勝では大した自慢になりませんので、トップと2着の間には他の場合よりも大きな隔たりがあります。

その他にも、

・役満を何回上がれるか

・大負けせずに楽しく打てるか

・トップ率をどこまで上げることができるか

などなど、人や状況によって様々な判断基準が考えられます。まずはこれをひとつに決めないことにはロジカルに議論をするのは難しいのです。

 

期待値の最大化

評価方法さえ決めてしまえば、後は期待値を計算し、それを最大化するという方針で最適な行動を定量的に求めることが出来ます。もちろん麻雀においては情報が不完全であり、また相手のあることなので、すべての事象を正確に定量化することはできません。しかし、個々の事象の確率を推定していくことで、期待値の計算が可能になるのです。

例をあげてみましょう。

オーラスで2着目の西家が聴牌しました。リーチすれば40%の確率で競り勝つことができ、トップになれます。ただし60%の確率で振り込んでしまいラスになってしまいます。

さてリーチをするのは得でしょうか?

まずはトータル金額を評価関数とした場合の評価です。

ウマオカと素点を合わせて、トップになると+60点、ラスになると-50点としましょう。期待値は、

0.4 * 60 + 0.6 * (-50) = -6

となりました。つまりリーチするのは少し損ということです。

では、順位戦の場合はどうでしょう。

0.4 * (-1) + 0.6 * (+2) = 0.8

平均的には順位が+0.8という意味ですので、これも損ということになります。

最後にトップを取ることだけが目的の場合ですが、

0.4 * 1 + 0.6 * 0 = 0.4

となり、勝負する方が得だという結果になります。ラスになろうが2位だろうが負けは負けなので、勝負した方がいいのは当然ですね。

この例は非常に単純化されたものですが、重要なのは、このように期待値を計算することで、それが損なのか得なのかが分かるということです。

 


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