あらの(一人)麻雀研究所

ヒサトノート

超攻撃麻雀ヒサトノート

 

総評

この本は、オカルト系の東風戦コラム集です。

麻雀戦術書風に書かれてはいますが、理論と言えるほどのものではなく、結果的にコラム集のようになってしまっています。内容的には、自分の打った麻雀の後付け解説と、自分が麻雀でどのくらい勝ったかという自慢話がメインです。

この本を読んでも何ら新しい麻雀理論は得られませんが、巷の雀ゴロがどのような考え方をしているのかを知ることは出来ます。フリー雀荘で勝てるようになりたいと思っている人なんかは、一度読んでみてもいいでしょう。

 

批判

麻雀に関する内容以前の話として、日本語の問題があります。自分の考えを本として出版する以上、正しい日本語で記述することが最低限求められますが、この本ではそれが出来ていません。半分くらいは編集者の責任かと思いますが、著者の方も少し本などを読んで勉強した方がいいと思います。

内容的には、矛盾の多さが一番気になります。

200ページ以上の文章を書いて、その中に矛盾がひとつもないようにするというのは大変な作業です。なかなか完璧にはできないでしょう。しかし、少なくともそうなるように努力する必要はあります。この本では、その努力の跡が少しも見られず、矛盾したことが普通に書かれています。

例えば、あるコラムでは「麻雀では打点がすべて」という内容のことが書かれているのに、他の場所では「麻雀ではスピードがすべて」という趣旨のことが書かれていたりします。そしてそれぞれ牌譜を載せて解説をつけていたりするのですが、結果論だったり後付け講釈だったりします。少なくとも私には、それらの中に一貫した理論や考え方を見出すことは出来ませんでした。

こういった類の本にはよくあることなのですが、自慢話がしたいだけというようなコラムが多いのも気になりました。ある局でこういった打ち方をしたらこういった結果になった、という話をつらつらと書かれても、こちらとしては困ってしまいます。思い出話や自慢話というのは、本人以外には大して面白くないものです。

それから、賭け麻雀に関する思い出話が結構たくさん出てきます。いくらのレートで打っていくら勝ったとか、そういう話です。本人は長年やっていることなので感覚が麻痺しているのでしょうが、賭け麻雀は違法行為です。発覚すれば普通に逮捕されます。つまり、賭け麻雀で勝ったことを自慢するというのは、いかに上手く犯罪を犯したかを自慢していることに他なりません。少なくともこういった本の中に書くことは慎むべきでしょう。

 

著者

佐々木寿人、1977年生まれ。

フリーで1000万円貯めた男、らしいです。

日本プロ麻雀連盟所属の麻雀プロ。

ヒサトのノート

 


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