あらの(一人)麻雀研究所

長村大の麻雀 真・デジタル

長村大の麻雀 真・デジタル

 

概要

この本はデジタルの申し子と言われる長村大プロが書いた、デジタルの啓蒙書です。

それほど突飛なことは書いてありませんが、ウソやオカルトがあまり含まれていないという意味では良書といっていいでしょう。

デジタルについてよく理解していない人とか、麻雀初心者で何から勉強したらよいのか分からない、というような人には特におすすめです。

もちろん、自分はデジタルのことならなんでも知っている、というような人でも、読んでおいて損はない内容になっています。

本当はオカルト信者の方にも読んでみて欲しいのですが、多分無理でしょうね。

 

感想

構成としては、

第一章 デジタルの定義

第二章 オカルトの正体

第三章 真・牌効率

第四章 期待値の理解

第五章 システム打法

となっています。

デジタルについての麻雀本としては、いたって普通の構成だと言えるでしょう。

この合間に、「デジタルの閃光」というタイトルの牌譜解説と、「でじたる道」というコラムがちょっと多めに含まれています。個人的にはこれらはいらない、とか思うのですが、人によっては面白いと思うのでしょう。

 

文体については非常にフランクで、良く言えば親しみが持てます。もちろん悪く言えば格式がないわけで、この人は真面目に麻雀のことを語る気があるのかと疑いたくなる箇所も見受けられます。ま、最近の若い人の日本語なんてこんなもんでしょ、みたいな感じ。

 

肝心の内容ですが、一言で書くとデジタルの話です。

運の流れなんかないよということを指摘してオカルトを否定した後、牌効率や期待値について一通りの説明を加えています。細かいところを見れば間違いも書いてありますが、大筋では正しい理論であると言ってよいでしょう。8割程度の主張には同意することができました。

 

ただ残念なのは期待値についてです。よくある間違いなのですが、和了枚数と点数をかけたものを期待値と呼んでしまっています。捨て牌選択をする分にはあまり困らないわけですが、これでは絶対的な評価は出来ません。次回作を書く予定があるのなら、この点は是非訂正してもらいたいものだと思います。

 

著者

長村大 1976年生まれ

日本プロ麻雀協会Aリーグ所属

第11期最強位、第一期王翔位

デジタルの申し子と呼ばれているらしい

 


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