リーチ麻雀論改革派 リーチ麻雀論改革派 天野晴夫
はじめにこの本は反オカルト本です。 小島武夫、田村光昭、桜井章一といった人たちのオカルト論者たちに対して真っ向から反論するという内容。いったいオカルト信者にどんな恨みがあるんだろうという程の罵倒っぷりです。 著者の主張としては、オカルトはおかしいですよ、という事と、麻雀を打つときは平常心で、という事の二点のみ。残りの200ページは小島プロ、田村プロへの個人攻撃を中心とした罵詈雑言で埋め尽くされています。人の悪口を聞くのがきらいな人にはちょっと読むのが苦痛でしょう。逆に、オカルト派が大嫌いという人にはお勧めの本かも知れません。
感想まず気になるのは、文体が妙に時代がかっていること。1990年に書かれた本なので、それほど昔のものではないのですが、何だか小難しい表現がいっぱいです。私も人並みの国語力を持っているはずですが、知らない単語がいくつかありました。 著者としては高尚な文章を書いているつもりなのかも知れませんが、もうちょっと平易に書いてくれた方がうれしかったな、とは思います。言っていることはそんなに難しいことではないのですから…。 著者の主張としては二点のみ、
という事です。 一点目に関しては、小島武夫、田村光昭、桜井章一といった人たちの著作から何切る問題やその解説を引用してきては、それにケチをつけるというスタイルで書かれています。指摘している内容の8割くらいは賛成できるのですが、その指摘の仕方には問題があります。一言でいえば品がない。自分の理論に自信があるのであれば、もっと冷静に指摘だけしていればいいものを、何か私怨が入っているかのように見受けられます。 で、散々麻雀プロをけなしておいて、その後で出てきたのが二点目の話。 どうやら著者は、平常心で麻雀を打つことが一番大事、ということを言いたいらしいです。四章でいきなりこの話になったときには、しばらく何が起こったのか分かりませんでした。そういった意味では非常にインパクトのある主張で、特にこの四章は一読の価値があります。買ってまで読むものではありませんが、立ち読みする方には四章をおすすめします。
それから、もう一点気になったところがあります。それは、論点が少しずれているんじゃないかという事。オカルトへの反論として、ツキとか運とかの話をしているうちはよかったのですが、その後の何切る問題へのコメントはちょっとピントがずれています。 オカルトを否定するのであれば、オカルト的な考え方をしている記述のみを叩けばいいわけですが、どうもそれが出来ていない。著者としては牌効率的なところの間違いが一番指摘しやすいようで、その辺りの話が中心になってしまっています。 これだと、オカルトを攻撃したというよりは、オカルト信者のプロの牌効率を攻撃したという形になってしまいます。もちろん、プロなのに牌効率がなってないのは問題です。でも、それを言いたいのではなく、プロ個人を攻撃するのが目的のように見えました。人の悪口を200ページにもわたって読まされるのって、意外とつらいものがありますね。
著者
その他の著書天野晴夫のマージャン・クイズ・ゼミナール―上級者への55のテーマ
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