あらの(一人)麻雀研究所

期待値計算の間違い

期待値計算のよくある間違い

麻雀の世界では、最近デジタルというものが流行っています。本屋さんに行くと「デジタル麻雀のすべて」というような感じの本がちらほら売られていて、私としてはついつい買ってしまったりするわけです。その中では、大体期待値の計算をやっているわけですが、残念ながらほとんどの本に書いてある計算式は間違っています。ここでは、その間違いの中でも最もよく見られるものについて指摘しておこうと思います。

それは、待ち枚数と和了率の関係です。

麻雀雑誌などによくのっている期待値計算では、

    待ちの枚数 × 和了得点

を合計して期待値としています。しかし得点の期待値を求めるのであれば、正しい計算式は、

    和了確率 × 和了得点

でなければなりません。多くの場合、この和了確率というのを正確に求めることは困難なので、それを待ちの枚数で代用しているのでしょうが、果たしてそれでいいのでしょうか?

待ち枚数と和了確率の間に大きな差がなければ、この近似はそれほど問題はありません。しかし、両者の間には思っている以上に差があるのです。

待ち枚数と和了率の関係

麻雀における期待値の計算方法については、期待値とはなどのページで詳しく書いていますので、計算方法についてはそちらを読んでもらうとして、ここでは計算条件と結果のみ示すことにします。

ここで計算するのは、子の配牌時に聴牌していた場合の18順目までの和了確率です。待ちの枚数が1枚から12枚のそれぞれの場合について、和了確率を求めて比較してみます。一人麻雀練習機と同様に、ロンは考えずツモのみです。下のグラフがその結果になります。

横軸が待ち枚数、縦軸は18順目までに和了出来る確率です。上に凸な、なだらかな曲線になっているのが分かります。前述の近似は、この曲線を直線として扱っていることになるわけです。

例えば、8枚のときは、4枚の時よりも2倍あがりやすいと計算します。しかし上の結果では、4枚のとき0.476であるのに対し8枚の場合は0.732となっています。これは約1.54倍です。これは無視出来る差ではありません。つまり、和了確率を待ち枚数で近似するのは、かなり無理のあることなのです。もちろん一人麻雀練習機においては、この違いをしっかりと加味して期待値を計算しています。


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